相続未登記の農地を一気に解消!?
週刊ダイヤモンドのオンライン記事より。
所有者不明の土地問題、官邸は法務省に法改正を説得できるか | inside | ダイヤモンド・オンライン
登記業務のご依頼を受けてときに、困ってしまうのが
相続未登記の状態の土地です。
とくに農地、山林、入会地に多いのですが、
そんな相続未登記問題に、登記法制の抜本的改革で望もうとするのが、
内閣府の平成29年第6回経済財政諮問会議における議事内容です。
資料は下記に掲載されています。
具体的には、
説明資料の「資料3-2」の4ページ目
(こちらは有識者議員からの提言)
配付資料4の3ページ目
(こちらは農林水産省からの提言)
このうち農林水産省の資料に言及すると、
農地に関して、
(1)事実上の管理者(相続人の1人)の判断に よる貸借を可能とする
(2)事実上の管理者(相続人の1人)による当 該農地の時効取得を可能とするというもの。
相続発生後に未登記になっていても、相続人の誰かかが少なからず利活用している状況を念頭に置いたものかと思います。
とくに(2)については、民法による対応も不可能ではないと考えますが、特則として設けることの意味は大きいと考えます。
さらには、
「そもそも相続未登記が起こらないよう、土地・登記制度一般の抜本的な対策が必要との意見もある。」
の記載されており、法務省の対応が注目されます。
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司法書士法人 貝原事務所
(しほうしょしほうじん かいばらじむしょ)
本事務所 :静岡県沼津市宮町441番地22
若葉町事務所:静岡県沼津市若葉町17-28
事務所HP :http://www.office-kaibara.com/index.html
沼津・三島・富士をはじめとする静岡県東部が主な業務地域です。
出張での相談にも取り組んでおります。
まずはお気軽にご連絡ください。
弊所へのお問合せについては下記HPをご参照ください。
http://www.office-kaibara.com/contact-test-mail.html
担当司法書士:築地(つきじ)
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「法定相続情報証明制度」が始まります!
法務省からのアナウンスです。
平成29年5月29日(月)から開始となります。
具体的な手続き、活用できる金融機関等は、
まだまだ未確定です。
とはいえ、不動産以外の相続手続きにおいて、
この証明書の果たす役割が大きくなっていくと推測されます。
随時、情報提供ができればと思っています。
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共有不動産と持分の交換(名義をそろえる方法)
相続して名義変更をする際には、相続人同士で、誰を名義人にするか話し合いをしてきめます(遺産分割協議)。
多くの場合、共有状態にすることを嫌いますので、誰か一人の名義にするかと思います。
ところが、なかには相続人みんなの名義にしている方もいらっしゃいます。
「とくに考えることもなく相続人全員の名義にした。」
「もめる可能性があったので、相続人全員の名義にした。」
というような理由からでしょうか。
そういうケースにおいては、実際に土地を利用する方と、土地の名義人が相違する状況になっています。
どこかの段階で、この食い違いを解消したいという場合には、贈与や売買という手段をとることになりますが、このほかにも「交換」という方法があります。
【事例】
A土地およびB土地を、太郎さんと次郎さんで共有しています。
実際には、A土地を太郎さんが、B土地を次郎さんが利用しています。
ここで、土地共有の状態を解消するために、
(1)
そこでA土地の次郎持ち分を太郎さんに譲渡し、
B土地の太郎持ち分を次郎さんに譲渡するのです。
これにより、それぞれの土地が実際に利用する人の単独名義となります。
(2)
上記のようなお互いに持ち分を譲渡することを交換といいます。
この交換の場合には、税制上の特例が設けられています。
No.3502 土地建物の交換をしたときの特例|譲渡所得|国税庁
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シンプルな相続による不動産名義変更、相続による預貯金等承継から
複雑な数次相続案件(曽祖父母、祖父母からの名義変更)、
休眠担保(古い抵当権)の抹消など
幅広く取り扱っております。
また、出張での相談も可能です。
ご高齢で事務所へ足をお運びいただくのに
負担の大きい方にご好評頂いています。
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兄弟姉妹の相続について(不動産の名義変更の観点から)
兄弟姉妹の相続について(不動産の名義変更の観点から)
最近、「兄弟姉妹間での相続」に関するご依頼が連続しました。
いずれも相続登記(亡くなった方の持っている不動産の名義変更)の案件で、ほぼ同時期にご依頼をいただいたのですが、
「遺言の有無」によって、全く異なる展開となりました。
(一件は既に完了し、もう一件は、まだまだ継続中です。)
(ご紹介する事案は、わかりやすさと守秘義務の観点から、実際の事案に内容変更を加えています。)
両事案とも、ご依頼主はAさん。亡くなった方はBさん。
Bさんは、Aさんのお母さんのお兄さん(叔父さん)。
Bさん名義の土地の上に、Aさん名義の建物があります。
なお、Aさんのお母さんは既に亡くなっていました。
1.遺言ありの事案
「BさんからAさんに土地を相続させる。」という遺言があります。
この場合には、Aさんが相続人であることを証明するため、
Bさんの出生から死亡までの一連の戸籍や、Aさんのお母さんの戸籍等をそろえる必要があります。
そろえる戸籍等は、それなりの通数(6~8通くらいでしょうか)となりますが、
Aさんが相続人の資格で集めることができます。
書類さえそろえれば、あとはAさん自身が名義変更のための、相続登記を申請すれば終わりです。
ほかの相続人は、手続きに関与してきません。
2.遺言なしの事案
この場合には、まずは、Aさんが相続人であることを証明するため、
Bさんの出生から死亡までの一連の戸籍や、Aさんのお母さんの戸籍等をそろえる必要があります。
ここまでは先の事案と同じです。
しかしながら、遺言がないことで、本件の土地は「相続人みんなのもの」になります。
仮にAさんが自分の名義にしたいと思ったら、相続人間で協議をしなければなりません。
では、相続人は誰かというと、
Bさんには子供も、配偶者もいなかったため、Bさんのまずは兄弟姉妹が相続人となります。
さらに、その兄弟姉妹が既に亡くなっていれば、Aさん自身がそうであるように、その下の世代が相続人の資格を引き継ぎます。
この事案では、Bさんを含めて5人の兄弟姉妹がいて、さらにそのうちの3人がなくなっていて、その方の子供が何人かいるという状態でした。
結論としては、相続人がAさんを含めて9人いました。
Aさんは、相続人全員を知っているわけではなく、まずは相続協議のお願いということで、住所を頼りにAさんから相続人あてにお手紙をだそうというのが現在地です。
お手紙を出しても返事がくる保証はありませんし、かりに返事がきて協議ができたとしてもAさんの希望どおりになるとは限りません。場合によっては、ほかの相続人が、自身の相続分に見合った金銭等を分割するよう求めてくる可能性もあります。
3.
両方の事案とも、AさんがBさんとほぼ同居するような形でお互いの生活を支えあっており、Bさん自身も、自分がなくなった後はAさんに名義を引き継いでもらいたいと思っていたと考えられます。
(遺言のある事案では、その思いが具体的な形で残っており、遺言のない事案では残念ながら推測でしかありませんが。)
4.
遺言のなかった事案において、Aさんは、土地の名義がBさんであることを心配していました。
しかしながら、いくら親しいなかとはいえ、Bさんの財産に自分が口を出すのはどうかと考え、遠慮していたそうです。
一方で、Bさん自身は、それほど心配に思っていないというケースを良く経験します。
これは、Bさんが無責任というわけではなく、
(1)名義を移す手続きの困難さを把握していない場合や、
(2)ほとんどAさんのものなのだから、まさかほかの相続人が口を出してくることはないと思い込んでいる場合などがあります。
そういった方には、つぎのことをお伝えしています。
(1)
遺言がなければ、いったんは相続人「全員」のものになること。
(2)
名義をかえるためには、「相続人全員での協議」が必要になること。
(3)
音信不通や認知症などで、そもそも「協議が円滑に行えない」ケースがあること。
(4)
協議ができたとしても、どんなに疎遠な相続人であっても、相続人としての法律上の取り分を主張してくる恐れがあること。
(5)
以上のような面倒なことは、しっかりとした遺言を用意しておけば、解決できること。
(6)
遺言をつくれば良いのに、以上のようなことに陥る危険性を、Bさんが正しく認識できていないケースが多々あること。
そうとは知らず、Aさんが遠慮して、課題の解決に動き出せないでいること。
課題解決の方法、アプローチの仕方には、いろいろな種類があります。
権利関係が気になるという方は、ぜひ一度、専門家へ相談することをお勧めします。
弊所でも、こうした課題解決に、積極的に取り組んでおります。
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司法書士法人 貝原事務所
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また、出張での相談も可能です。
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預金・貯金の相続について
預金・貯金の相続に関しては、
昨年12月に「遺産分割の対象になる」との最高裁判所の判決が出されました。
簡単に言えば、
「遺産分割の対象にならない」ということは、
相続人が複数人いる場合においては、
法律で定められた法定相続分に従って当然に分割され、
各相続人がそれぞれの取得分に応じた払い戻しができることを意味します。
「遺産分割の対象にならない」ということは、
相続人で協議して、取得割合を決定しなければ、
払い戻しを全く受けられないということを意味します。
従来より、実際に預金・貯金の相続をする場合には、
銀行等から「相続人全員の実印・印鑑証明書」が求められていました。
(そうした手続きが必要となるのは、後日の紛争に銀行等が巻き込まれることを防止するため、つまりは銀行等の都合という説明がされていました。上記判決以降は、これらの手続きが法的にも正しいものと認められることになります。)。
とはいえ、相続人の一部から自分の相続分だけを解約してもらうことが、限定的ではありますが認められていました。
しかしながら、昨年12月以降に出された判決は、遺産分割の対象とする以上、一部相続人からの払い戻し請求は認められないとの姿勢を明確にしています。
沼津・三島などの弊所周辺市町の金融機関においても、
従前どおりに(あるいは従前以上に)「相続人全員の実印・印鑑証明」をもとめる流れにあると思います。
遺産分割協議が成立しない、あるは成立できない状況では、
預金・貯金の相続手続きを進めることが困難となります。
相続人間では協議を勧められないということであれば、調停などの裁判手続きを利用すべきこととなります。
また、相続人の中に、協議に参加できない人がいるということであれば、後見制度・不在者財産管理制度を利用すべきこととなります。
各種手続きを上手に利用して、円滑に預金・貯金の相続手続きを進めていきたいものです。
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法定相続証明情報について
法定相続証明情報(以下、「法定相続証明書」といいます。)とは、
ある方の法定相続人を一覧の図にまとめた書面をいいます。
(サンプルは後記の通り)。
この一覧図を、法務局から発行しますよというのが、
今年の5月下旬から実施予定の「法定相続証明情報」制度です。
発行された「法定相続証明書」を提出すれば、
とりあえず相続人が誰かを確認することができるので、
不動産や銀行預金の相続手続きにも利用可能となるというもの。
最大のメリットとされるのは、各手続きで戸籍を提出する必要がなくなるという点です。
これまで相続による財産手続きにおいては、手続きをするたびに(法務局、銀行、保険会社、証券会社などなど)に、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍や相続人の戸籍を提出していました。
(昭和10年生まれの方で、相続人となる方が3人となると、少なくとも戸籍だけで6~8通くらいになるのではないでしょうか?)
今後は、法定相続証明書1枚でOKとなる(いちいち戸籍を提出しなくても良い)のです。
うまく活用されれば、非常に良い制度となるでしょう。
とはいえ、
(1)戸籍の収集が必要である点は、依然として変わりません。
(2)証明書取得のためには、相続人の一覧図を自ら作成しなければなりません。
これらの手続きに際して、「むずかしいな・・」とか「わからないな・・」と感じたら、司法書士をはじめとする相続の専門家に是非ご相談下さい。
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司法書士法人 貝原事務所
(しほうしょしほうじん かいばらじむしょ)
本事務所 :静岡県沼津市宮町441番地22
若葉町事務所:静岡県沼津市若葉町17-28
事務所HP :http://www.office-kaibara.com/index.html
沼津・三島・富士をはじめとする静岡県東部が主な業務地域です。
シンプルな相続による不動産名義変更、相続による預貯金等承継から
複雑な数次相続案件(曽祖父母、祖父母からの名義変更)、
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ご高齢で事務所へ足をお運びいただくのに
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弊所へのお問合せについては下記HPをご参照ください。
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【法定相続証明書のサンプル】
成年後見制度利用促進基本計画について
平成29年3月24日に、成年後見制度利用促進基本計画が閣議決定されました。
各種資料は、こちらの内閣府HPを参照。
イメージをつかむには、「成年後見制度利用促進基本計画のポイント」がわかりやすかったです。
制度設計の基本的な考え方として、あらためて次の点を確認。
(1)ノーマライゼーション(尊重された生活の保障)
(2)自己決定権の尊重(意思決定支援の重視と自発的意思の尊重)
(3)財産管理のみならず、身上保護についても重視。
以上の基本をふまえて、現行制度の改善施策を大きく3つに整理。
(A)利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善
(B)権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり
(C)不正防止の徹底と利用しやすさとの調和
Aについては、意思決定支援・身上保護を重視するとしており、選任審判の判断材料となる診断書を充実させること、開始後の後見人等の交代の柔軟化を検討。
Bについては、地域連携ネットワークを構築することによって、支援が必要な人の早期発見、「チーム」による本人の見守り、「チーム」による後見人の支援を行うとしています。
「チーム」とは「福祉等の関係者と後見人」を指し、チームとして活動することによって、身上保護の充実や不正防止を図ろうというもの。また、個々のチームの活動をサポートする機関として専門職団体も参加する「協議会」の設置を検討。
Cについては、後見制度支援信託(現金を信託口座に預け、払い出し等に裁判所の許可を要するものとする制度)に並立・代替する新たな施策の検討や、金融機関への働きかけを行うとしています。また、不正防止対策の前提として、専門職団体の不正防止対応の強化を要請。
その他事項として、任意後見契約の促進や、医療同意に関する論点整理、成年被後見人等に対する権利制限についても検討するとしています。
5か年計画で策定されており、今後、都道府県や市町村に具体的な計画策定の働きかけが行われることとなります。
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