なぜ司法書士が成年後見?
(1)裁判所の公表する統計から
平成27年の裁判所の統計では、母数34,920件に対して、司法書士は9,442件が選任されています。
職種・分類としては最も多く、次いで弁護士(8,000件)と子(5,515件)が続きます。
(2)専門家後見人のメリット
一般論としてのメリットを述べます。
親族と異なり、公平中立な立場で関与することになります。
また成年後見に関する知識・経験を有しており(個人差もありますが)、専門家としての責任をもって職務にあたります。
(3)専門家後見人のデメリット
一般論としてのメリットを述べます。
管理する資産に応じて報酬が発生することになります。
親族と異なり、本人にとっては「他人」が生活の中に登場してくることになります。
(4)司法書士のメリット
司法書士は、日常的に相続・不動産に関する事項を取り扱っており、関連する法律知識や経験が豊富です。
また先述の通り、職種としては最も成年後見の経験が豊富とも言えます。
さらに、司法書士は、「リーガルサポート」という団体を組織しており、これに加入する司法書士は、その後見業務についてリーガルサポートの監督を受けることになります(残念なことに、専門家が後見業務において横領する事案が多発しています。。)。
とはいえ、司法書士でも、成年後見に積極的に取り組んでいる人とそうでない人がいます。
もし「この司法書士に頼んでみようかな」という人がいれば、実際にどれくらい成年後見人をやっているか確認してみると良いでしょう。
また、実際に成年後見人をやっている司法書士であれば、とくに後見人就任後になすべきこと悩むことなど、申立前に不安に思うことにも相談に乗ってくれることでしょう。