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相続・成年後見について(司法書士法人貝原事務所)

沼津市の司法書士・貝原事務所の相続・成年後見に関するブログです。

成年後見制度利用促進基本計画について

平成29年3月24日に、成年後見制度利用促進基本計画が閣議決定されました。

各種資料は、こちらの内閣府HPを参照。

成年後見制度利用促進基本計画について-内閣府

 

イメージをつかむには、「成年後見制度利用促進基本計画のポイント」がわかりやすかったです。

 

制度設計の基本的な考え方として、あらためて次の点を確認。

(1)ノーマライゼーション(尊重された生活の保障)

(2)自己決定権の尊重(意思決定支援の重視と自発的意思の尊重)

(3)財産管理のみならず、身上保護についても重視。

 

以上の基本をふまえて、現行制度の改善施策を大きく3つに整理。

(A)利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善

(B)権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり

(C)不正防止の徹底と利用しやすさとの調和

 

Aについては、意思決定支援・身上保護を重視するとしており、選任審判の判断材料となる診断書を充実させること、開始後の後見人等の交代の柔軟化を検討。

Bについては、地域連携ネットワークを構築することによって、支援が必要な人の早期発見、「チーム」による本人の見守り、「チーム」による後見人の支援を行うとしています。

「チーム」とは「福祉等の関係者と後見人」を指し、チームとして活動することによって、身上保護の充実や不正防止を図ろうというもの。また、個々のチームの活動をサポートする機関として専門職団体も参加する「協議会」の設置を検討。

Cについては、後見制度支援信託(現金を信託口座に預け、払い出し等に裁判所の許可を要するものとする制度)に並立・代替する新たな施策の検討や、金融機関への働きかけを行うとしています。また、不正防止対策の前提として、専門職団体の不正防止対応の強化を要請。

 

その他事項として、任意後見契約の促進や、医療同意に関する論点整理、成年被後見人等に対する権利制限についても検討するとしています。

 

5か年計画で策定されており、今後、都道府県や市町村に具体的な計画策定の働きかけが行われることとなります。

 

最高裁の成年後見に関するレポート

1.

毎年、最高裁判所から発表されている「成年後見関係事件の概況」が今年も更新されました。

平成28年1月~12月までの概況が新たにまとめられています。

資料が掲載されているのは次のリンク先です。

裁判所|成年後見関係事件の概況

 

2.申立件数の推移

申立件数は昨年比で減少しました(34,782→34,249)。

過去5年でみても減少傾向にあります。

高齢者人口や認知症患者数など、成年後見制度との相関性が高いと思われる数字は増加傾向にある一方で、成年後見制度の利用は減少傾向にあります。

参考:

認知症|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省

(「患者数」の項目)

類型ごとに内訳をみると「後見」類型が減少する一方で、「保佐」類型が増加。

任意後見(監督人が選任され発動したもの。)については、昨年比で見ると減少していますが、トレンドとしては増加傾向にあるように思います(平成26年から、738→816→791。)。とはいえ件数は少ないかと。

なお、任意後見契約の締結自体は、平成26年が「前年比705件増の9,737件」とされており、発動待ちの契約が相当数あるものと推測されます。

日本公証人連合会

(「平成26年における遺言公正証書等作成件数について」)

 

 

3.申立人と本人との関係について

市区町村長が申し立てた件数(以下「市長申立ての件数」とします。)が6,466件で、前年の5,993(全体の約17.3%)に比べ、前年比8%の増加となっています。

全体の申し立て件数が減少している中で、市長申立ての件数については、かなりの割合で増加しています。

 

 

4.申立の動機

あいかわらず預貯金等の管理・解約が多いのですが、これはほとんどの申し立てにおいて「預貯金」の問題が関係してくるからだと思います。

 

 

5.審理期間や鑑定について

審理期間は2か月以内であるものが80%弱となっています。
静岡家庭裁判所沼津支部についても、基本的には1か月程度で終わっているようなイメージを持っています。

 

鑑定が実施される割合は全体の10%弱となっています。

その費用については、5万円以下が60%、5万円超10万円以下が36%となっています。

 

 

6.成年後見人等と本人との関係について

親族後見人の割合はさらに低下しました。

専門職としては、社会福祉士さんの選任が増加しています(前年比7%の増加)。

これは身上監護面を重視する案件の増加があるからだと思いますが、

もしかすると、市長申立ての件数の増加とリンクしているのかもしれません。

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司法書士法人 貝原事務所
(しほうしょしほうじん かいばらじむしょ)

本事務所  :静岡県沼津市宮町441番地22
若葉町事務所:静岡県沼津市若葉町17-28
事務所HP :http://www.office-kaibara.com/index.html


沼津・三島・富士をはじめとする静岡県東部が主な業務地域です。
出張での相談にも取り組んでおります。


まずはお気軽にご連絡ください。
弊所へのお問合せについては下記HPをご参照ください。
http://www.office-kaibara.com/contact-test-mail.html


担当司法書士:築地(つきじ)

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おじ・おばの相続(夫婦の立場から)

Aさんは奥さん(Bさん)と二人で暮らしています。

夫婦に子供はおらず、養子縁組もしていません。

 

Aさんには、兄弟として、お兄さん(Cさん)が一人います。

 

Cさんは既に亡くなっており、子供(Dさん)が一人います。

 

こうした親族関係において、

Aさんが亡くなった場合、BさんとDさんが相続人となります。

 

 

(1)Dさんがおじ・おばの相続人となる場合

① おじ・おばに子供がいない

② おじ・おばの両親(直系尊属)が既に死亡

③ おじ・おばの死亡前に、兄弟姉妹であるご自身の父又は母が死亡

 

 

(2)奥さん(Bさん)だけが相続人ではない

今回のようなケースでは、甥または姪であるDさんも相続人として、手続きに関与してきます。

BさんとDさんが常日頃どのような関係にあるか、Dさんが遺産(資産・負債)にどのような関心をもっているかによって、相続手続きが円滑に進むかどうかが決まってきます。

いずれにせよ、Dさん(甥・姪)の意向が深くかかわってくることになります。

(Cさんが存命であれば、DさんではなくCさんが相続人となり、DさんにかわってCさんが関与してくることになります。)

 

 

(3)遺言の作成がおすすめ

今回のようなケースで、Dさんが、Aさん・Bさん夫婦と生活を共にしているのであれば、Aさんの相続財産をわかちあう(あるいは一緒に分割協議をする)ことに納得感があるでしょう。

しかしながら、生活をともにしていないとか、あるいは全く交流がないという状況においては、同じ相続人として分割協議をすることにすら抵抗を感じるのではないでしょうか。

 

そのように感じるのであれば、遺言によりその旨を明確にし、遺産分割協議を不要とすることが、不要な争いを防止する観点から有効です。

 

とくに兄弟姉妹(あるいは甥・姪)に遺留分(相続人としての最低限のとりぶん)の定めはありませんから、遺言を作成するメリットは非常に大きいといえます。 

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おじ・おばの相続(甥・姪の立場から)

Aさんは奥さん(Bさん)と二人で暮らしています。

夫婦に子供はおらず、養子縁組もしていません。

 

Aさんには、兄弟として、お兄さん(Cさん)が一人います。

 

Cさんは既に亡くなっており、子供(Dさん)が一人います。

 

こうした親族関係において、

Aさんが亡くなった場合、BさんとDさんが相続人となります。

 

 

(1)Dさんがおじ・おばの相続人となる場合

① おじ・おばに子供がいない

② おじ・おばの両親(直系尊属)が既に死亡

③ おじ・おばの死亡前に、兄弟姉妹であるご自身の父又は母が死亡

 

 

(2)子供がいないことの確認はどのように?

Aさんの戸籍をチェックする必要があります。

子供がいない、婚姻していないといったケースでも、認知や養子縁組をしている可能性があります。

 

 

(3)遺言の作成がおすすめ

おじ・おばに子供がおらず、かつご両親がなくなっている場合には、おじ・おばの兄弟姉妹が相続人となります。

さらに、兄弟姉妹が既になくなっている場合には、兄弟姉妹の子供が代襲相続人となります。

最初に挙げたケースでは、Aさんにとっての兄弟姉妹が1名ということで、非常にシンプルな相続関係となりました。

 

しかしながら、兄弟姉妹の人数が多い場合には、相続人の範囲が広がる可能性があり、遺産分割協議を行うことが大変な作業となることが予想されます。

従い、あらかじめ遺産の帰属先が決まっているようであれば、遺言によりその旨を明確にし、遺産分割協議を不要とすることが、不要な争いを防止する観点から有効です。

 

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遺産整理の最中に遺言を発見した場合

亡くなった方(被相続人)の遺産整理をはじめようとしたところ、銀行の貸金庫を利用していることがわかりました。

銀行の指示に従い、貸金庫を開く手続きをしたところ(開くのにも一苦労でしたが。。。)、なかから遺言書が見つかりました。

 

(1)遺言の種類によって場合分け

見つかった遺言書が、自筆証書遺言か公正証書遺言かによって、その後の手続きが異なります。

自筆証書遺言の場合には、裁判所による検認手続きを経る必要があります。

また、検認前に、自筆証書遺言が封緘されている場合には、開披しないようにしましょう。

 

公正証書遺言の場合には、自筆証書遺言のような検認手続きは不要です。

内容を確認し、その後の手続きを確認しましょう。

 

(2)自筆証書遺言の場合

自筆証書遺言の場合、内容の確認前に検認手続きが必要となります。

検認手続きは、裁判所に対して申し立てをすることで開始します。

この際、遺言者の相続人を確認するための戸籍一式が必要となります。

また、検認を行う際には、相続人全員の立ち合いがもとめられているため、裁判所から検認手続き前に、相続人全員に対する通知が行われます。

相続人の立ち合いは、必須ではありませんので、検認当日に欠席されることは問題がありませんが、すくなくとも遺言書の存在と検認手続きの実施が相続人全員に通知されることは承知しておきましょう。

 

(3)遺言執行者の指定がある場合

遺言書の中に、遺言執行者の指定があり、かつ遺言執行が必要な記載事項が含まれている場合には、遺言執行者となる方に、遺言の存在を連絡してあげましょう。

後述しますが、遺言の隠匿・破棄は、みずからの相続人たる資格を喪失する原因となります。

 

(4)遺言執行者の指定がない場合

遺言書の中に、遺言執行者の指定がなく、かつ遺言執行が必要な記載事項が含まれている場合には、相続人から、遺言執行者を選任する申し立てを裁判所にすることを検討します。

 

(5)遺言の破棄

遺言書を発見した相続人の方から、遺言書をなかったことにして手続きを勧められないかというご相談をいただくことがあります。

そうした方には、まず次の民法の条文をご紹介しています。 

民法(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)

(相続人の欠格事由)

第八百九十一条  次に掲げる者は、相続人となることができない。

(・・・)

五  相続に関する被相続人遺言書偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

遺言書を発見した場合には、その内容が実現されるよう、発見したものとして適切な行動を行う必要があります。

かりに、自分自身に不利な遺言の内容であっても、相続人の資格すら失ってしまっては、あとから遺留分(相続人としての最低限の取り分)の請求すらすることができなくなってしまいます。

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成年後見と不動産の処分

成年後見に関連して、お問合せを受けることの多い「不動産の処分(土地・建物の売却)」についてまとめてみました。

具体的な事案を考える際の指針になればと思います。

 

とはいえ、実際に動き出す場合には、実際の事案に沿った検討が必要になります。

その際には、是非、司法書士等の専門家にご相談下さい。

 

 

1.こういった事例

Aさんの父Bさんは、認知症を患い、ご自身で土地の売買契約等を締結するのが困難な状況にある。

Bさんは、自宅と、自宅以外の土地(更地)を所有している。

Aさんは、Bさんの成年後見人となって、自宅あるいは更地を売却したいと考えている。

 

 

2.不動産の処分(売買)の大原則

財産管理における大原則は「現状維持」です。

成年後見人は、被後見人の財産の維持・管理を行うことを最優先に求められます。

 

「『維持・管理』というのならば、高い価格で売ったり、あるいは安い価格で買ったりすることも大事なことでしょ!」といわれるかたもいらっしゃいますが、

予測や推測に基づく経済的な行動(「今が買い!」「今が売り!」)を、成年後見制度は念頭においていません

 

【こんな例】

更地については、今、駐車場として賃貸している。賃料収入で、税金を含めても若干のプラスになっている状態。

ちょうど、この土地を買いたいという人があらわれて、提示された値段もなかなかのもの。「今が売り」だと思うから、成年後見人として売却してしまおう。

 

 

3.本人の意思

財産の維持・管理においては、本人の意思を尊重することも重要です。

成年後見は、本人のための財産管理であるからです。

とくに、自宅の売却の場面においては、本人にとって「心の拠り所」となっているケースもあり、不要だからといって直ちに処分するというのは、後見人のとるべき行動ではないでしょう。

また、場合によっては、本人の意思に加えて、親族の意向を確認する必要もあるかもしれません。

 

 

4.法律上の制限

法律上、成年後見人が不動産の処分を行うに際して、第三者の許可や同意を求めているのは、次の場合です。

逆にいうと、これ以外の場合には許可や同意は不要となります。

とはいえ、成年後見人として不動産の処分を行う場合の考え方(後述の必要性と相当性)に基本的な違いはなく、「手続き上必要なステップの差」くらいの感覚でとらえるべきかと思います。

(1)居住用不動産の処分

いわゆる「自宅の処分」が該当しますが、これについては家庭裁判所の許可が必要です。

(2)後見監督人がいる場合、その同意

監督人が選任されている場合には、不動産の処分に際して、その同意が必要となります。

 

 

5.どういった場合に不動産の処分が認められるのか

大きく2つの要件にわかれます。

1つめは、「必要性」です。

2つめは、「相当性」です。

 

(1)必要性とは

【こんな例】

最近になって、Aさんが父Bさんのお金の管理をはじめたのだが、更地の固定資産税がかなりの金額になっており、Bさんの貯金からまかなわれている状態。

今も昔も活用されていない土地なのに、この状態が続くと貯金がなくなり、Bさんの生活を維持することができなくなってしまう。

【こんな例】

Bさんは、最近施設に入ったのだが、施設料の支払いに年金では不足する。今は貯金でまかなえているが、この先、施設料を捻出するためには、更地や自宅を売却する必要性がある。

Bさんは、介護度も高く、自宅に戻れる可能性は少ない。

 

(2)相当性とは

これは、売買価格や取引条件(瑕疵担保責任等)が、一般的にみて妥当であることとなります。

路線価、複数見積、周辺の取引などを参照して、自身の不動産売却の条件が妥当であることを確認していきます。

 

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相続の名義変更の際に、古い抵当権が見つかった・・

相続による名義変更のために、登記簿を確認したら、

(1)

「昭和28年」に設定された抵当権が記録されていた。

債権者は、「~~組合」という聞いたこともない名前の団体となっている。

(2)

「大正12年」に設定された抵当権が記録されていた。

債権者は、「~~村」という聞いたこともない名前の村となっている。

 

 

相続による名義変更を行う際に、亡くなったお父さん(あるいはお母さん)の土地の登記簿を確認したら、なんだかわけのわからない古い抵当権が発見されることが、ままあります。

全く知らない他人の権利が、自分の(あるいは今後相続する)土地の上に設定されていることを知って、多くの方が驚くとともに不安を抱かれているように思います。

 

 

とはいえ、これらの抵当権は、ある債権の担保(借金のカタ)として設定されているのですが、

(1) 借金が残っているのであれば、債権者から請求がくるはず

(2) 請求が来ていないのならば、消滅時効にかかっているはず

ということから、効力が消滅していると思われます。

つまり、無意味な登記であるものの、抹消手続きがとられず形式的に残っている状態になっているのです。

「なんだ、無意味な権利であれば、べつに抹消しなくても良いのではないか。」と思われるかと思いますが、

後日、相続した土地を売却したいと考えたときに、抵当権の残っている土地を、そのままで購入される方は稀かと思います。

 

 

こうした古い抵当権の抹消にあたっては、

抵当権者を見つけて、原則通りに共同して抹消手続きにあたるケースから、

法律上の特則を利用して抹消手続きにあたるケースもあります。

 

どの方法が良いかは、具体的事案によって様々ですので、

お悩みの際には、是非、司法書士にご相談ください。

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