最高裁の成年後見に関するレポート
1.
毎年、最高裁判所から発表されている「成年後見関係事件の概況」が今年も更新されました。
平成28年1月~12月までの概況が新たにまとめられています。
資料が掲載されているのは次のリンク先です。
2.申立件数の推移
申立件数は昨年比で減少しました(34,782→34,249)。
過去5年でみても減少傾向にあります。
高齢者人口や認知症患者数など、成年後見制度との相関性が高いと思われる数字は増加傾向にある一方で、成年後見制度の利用は減少傾向にあります。
参考:
認知症|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省
(「患者数」の項目)
類型ごとに内訳をみると「後見」類型が減少する一方で、「保佐」類型が増加。
任意後見(監督人が選任され発動したもの。)については、昨年比で見ると減少していますが、トレンドとしては増加傾向にあるように思います(平成26年から、738→816→791。)。とはいえ件数は少ないかと。
なお、任意後見契約の締結自体は、平成26年が「前年比705件増の9,737件」とされており、発動待ちの契約が相当数あるものと推測されます。
(「平成26年における遺言公正証書等作成件数について」)
3.申立人と本人との関係について
市区町村長が申し立てた件数(以下「市長申立ての件数」とします。)が6,466件で、前年の5,993(全体の約17.3%)に比べ、前年比8%の増加となっています。
全体の申し立て件数が減少している中で、市長申立ての件数については、かなりの割合で増加しています。
4.申立の動機
あいかわらず預貯金等の管理・解約が多いのですが、これはほとんどの申し立てにおいて「預貯金」の問題が関係してくるからだと思います。
5.審理期間や鑑定について
審理期間は2か月以内であるものが80%弱となっています。
静岡家庭裁判所沼津支部についても、基本的には1か月程度で終わっているようなイメージを持っています。
鑑定が実施される割合は全体の10%弱となっています。
その費用については、5万円以下が60%、5万円超10万円以下が36%となっています。
6.成年後見人等と本人との関係について
親族後見人の割合はさらに低下しました。
専門職としては、社会福祉士さんの選任が増加しています(前年比7%の増加)。
これは身上監護面を重視する案件の増加があるからだと思いますが、
もしかすると、市長申立ての件数の増加とリンクしているのかもしれません。
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